Album Review
小澤明久 from BURRN!
静岡県浜松市出身、元VACUUMのSHINYA<g>を中心に結成された
四人組スラッシュ・メタル・バンドによる、フルとしては約四年ぶりとなる3rd。

モダンなグルーブも配しつつ80年代型クランチリフを軸にスピーディかつパンキッシュに
展開する音楽性に大きな進展がみられ、スラッシュ/クロスオーヴァーに無駄にこだわることなく
古今のメタル/ハードコア要素を組み合わせつつ、より一般受けも狙えるようなアプローチを試行、
また中盤にはアコギを使った優美な曲やスラップベースを生かしてのファンク調も聴かれる。

音楽的な振り幅を最大限に保ちつつも、エクストリーム・メタル/ラウド・ロックとしての
トータリティにもきちんと配慮された、ある意味”楽しい”作品だ。

―――BURRNIN' VINYL 82点―――
Interpretation ?リフの雨に打たれて?
M1 「Shady the ripper / シェイディ・ザ・リッパー」
―――切り裂きシェイディ―――

実はアルバムの中でこの曲が一番最後に仕上がった曲です。
TAKEIから「邪悪なスラッシュナンバーに歌を入れたい」との希望で、オープニングから
聴き手のテンションを上げる曲が欲しいなと、思っていた所にそんな声だったので、とにかく
シンプルに、スラッシーに、と作っていったらこの曲が完成しました。

 分かる人には伝わったであろう、オープニングのSEは、EXODUSのImpact Is Imminent同様
「お?来るんじゃないのか?」→「そろそろ来るぞ?」→「やっぱり来たぁ??!!!」→「曲スタート」
と言う、スラッシャーがついテンション上がってしまうベタな始まり具合を意識してます。

 ベイエリアクランチの俺なりの解釈は、表ノリのグルーブにスネアの裏打ちのリズムだと思ってます。
(まー全てがそうではないですし、ギャロップリフのザクザク感だったりもしますが。)
そしてスネア裏打ちからの、表打ちへの展開!ここで「ヘッドバンギング」と「ドラマーの左手」が
ユニゾンになる訳です。そうするとスラッシャーのテンションは、どこへでも、どこまでも、昇天して行くのです。
 いやぁ?、スラッシュって、、、、本当にいいもんですねぇ?。

そんな音楽をやってる我々が、「メディアに踊らされたカラ騒ぎ」を一刀両断してしまってる曲がコレ。
切り裂きシェイディです。

 英文と和訳ではてなマークが出た方もいると思いますが、「ザラキの呪文」、これはドラクエの世界で
敵に死の言葉を投げかけて即死させる攻撃呪文でして、
アメリカ版のドラクエでは、この歌詞の「Thwack!」という
単語に変換されているわけです。

「Fuck!」なんて絶対に言わない偶像たちを「Thwack!」(ザラキの呪文)で掃除してやるぜ!
という事でした。実際、アメリカ版のドラクエの「呪文の難解さ」で、なかなかクリアが遠かったTAKEIの怒りが
見事に表れております。(敵にホイミかけてしまったりとかね。)
「まやかしの音を切り刻む」そういった意味も含めての、スラッシュバンドでありたいと思います。
M2 「Eliminate 'em all / エリミネイト・エム・オール」
―――ザクザクのワケは右手の物凄いミュート―――

Eのマイナー三度の和音で始まるコイツはミドルテンポでごり押ししたかった曲です。
4回しあるAメロを4パターン違うリフで攻めた所に
気付いてくれた皆様ありがとうございます。(一位は凸ヤマ先輩)

 タイトル的にはMETALLICAの1stと同じですが、
TAKEIの感じた、世の中の無駄をなくそうと言うECOな歌です。
個人的に気に入っているのは「"Sarin"と"Killin'"」のフレーズですね。和訳参照。

 口を大きく開けたライオンが攻撃的な歌を物語っております。
うっすらと赤い血が飛び散っているのが見えますか?

 この曲はサビの和音に物凄くこだわりがありまして。
E- D-G- F#をオールマイナー三度で鳴らしているメインコードに対してGuitar2で。
E-G-B-E-A-Dと変化していく絡め方をしておりますので、耳コピしずらいかもしれません。
バンドスコアを買ってHANGER18をコピーした方がよほどいい時間の使い方です。

 中間部の変拍子のフレーズも無駄にいやらしい構成となっております。
ギター一本になる所の8拍のフレーズの変化形だけなんですが、6/8,7/8,6/8,7/8と変化します、、、、、、が!
この7拍のフレーズ、一回目は3拍4拍に分かれてるのに対して二回目は4拍3拍に分かれているため。
ライブで酔うと弾けない感じになってダメな僕がいます。

世の中の無駄をなくそうと言うECOな歌も、こういうややこしいフレーズからなくしていけよ!と一人で叫ぶのでした。

注*ちなみに全部一音下げチューニングですが、コードは通常の表記をしております。
M3 「Amazing Place / アメイジング・プレイス」
―――革命をアナタに―――

オルゴールのイントロから意外な展開、Amazing placeはそう、ゴスペルの名盤の賛美歌を
クリスチャンでもない僕が文字って作りました。「すばらしき場所」、駅近くの地下の薄暗く
毎晩爆音が鳴り響く僕らの溜り場のことですかね?みなさんが自由に「その場所」は考えてください。

現実にある場所かもしれませんし、空想の中にある場所かもしれません。

 グリムやアンデルセンの童話の1ページのような曲にしたくてオルゴールのSEが入りました。
ブックレットも見開き2ページ使って絵本のようになってますよね?

二回目のサビで歌詞までバラバラになるので、歌う方も難しいのです。

 Cメロの「ジャスミンを銃口に、、、」このフレーズは、実は元日本赤軍の重信房子さんの歌集のタイトルです。
裸足で飛び出したシンデレラの自分革命のような絵が脳内にわいたんですね。

 その頃ちょうどZONEのサワさんに誘ってもらって、見に行った若松孝二監督の映画
「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程」が物凄く衝撃的でした。「突入せよ!」を見て若松監督は
”何かを表現する人間は権力側から撮っちゃいけない”ってポリシーで、当時の連合赤軍の方々の実話を元に
犯人側の目線で展開していく映画だったんです。

 テロリストって言っちゃうと、聞こえは悪いかも知れませんが、何かを変えていこうと思う事、、、、、
テロを肯定する気はさらさらありませんが、、、無茶な変え方を無理に進める事が、うまく治まらないだけで。

 より良くするために、より考えるっていう事は、大事な事だとも思いますね。毎日がRevolution。

惰性で繰り返すつまらない毎日では僕はドキドキを味わい足りないので、生きてる(live)証のLIVEをしてるつもりです。
そんなこと考えて作っていくうちに、ハードでコアなナンバーに、、、やわらかなメロディが乗ったのかもしれません。

そしてRevolution(革命)の歌からEvolution(進化)の歌へと続いてゆくのです。
M4 「Ultimate evolution=Death / アルティメット・エヴォリューション・イズ・デス」
―――ナントクルシクヒドイコノセカイ―――

そして続きました、Ultimate evolution=Death(進化の究極は死)。エヴァですね。
TAKEIの唄うこの歌は、若干過激な内容なので、和訳から意味を推測して下さい。

 この曲の聴き所は何といってもMASASHIのベースライン。
イントロのフレーズはギターの音階が上がる部分は下がっていき、下がる部分を上がっていく仕組みです。
後半のロカっぽく攻めるフレーズは、沢田研二の「ストリッパー」のノリを意識しております。

 当然、そこに乗っかるギターソロは、マーシャルって訳にはいきませんよね。
フェンダーのベースマンのサウンドが欲しい!!!、、と、思い
頑張ってPODで作ったりしてみました。SONIX石塚を呼び出して夜中にアンプ談義?モデリングモデリング。
、、、、、、、が、、、まるで似てません。確かにそんな音のはずなのに!!!なんの違いだ?
そう、所詮モデリング。素直に音量だけが上がってく事なんて現実にはないのです。

 小さなコンボが無理な音量を鳴らそうとするハコ鳴り、、、
それこそがフェンダーのナチュラルディストーションだったのだ!
と気付き、スタジオのツインリバーブにジャックをブッ刺しました。
あ!これでいいや!と。
当然バッキングをかぶせる事もなく、ペラペラ感重視のギターソロで。

 2番のRise in revolt?からのギターフレーズは
リズムとアプローチが違うので分かりにくいかもしれませんが、実は!!
イントロとまったく同じ運指で進んでます。

 人は死ぬ為に生まれてきたのかもしれませんが、生きてるうちに何を残したか、、、。
俺はこれからも沢山の曲を残し続けていきたいです。
M5 「J.U.N.K / ジャンク」 M6 「moonlight acid / ムーンライト・アシッド」
―――狂いそうな毒を喰らいそうな僕はまだ夢の途中―――

これはトラックは5と6に分かれてますが、実際は1つの曲になります。
主人公が陽気でファンキーな日常から、幻覚の世界に堕ちていくと共に、
MASASHIのSLAPから表示トラックも切り替わります。

 J.U.N.Kに関してはまずベースはG&Lでライン録りの後、リアンプしております。
ファンキーな裏ノリに必要なのは、僕的には、第一小節の一拍目を外す事。
典型的なラインから6/8シンコペの変拍子へと、移るに従い、フラット5を強調させていってます。
そう、日常からの変化を、半分下げた五度と、6拍の「変病死」に表現しているのです。

 ようはJ.U.N.Kは壊れていく様子を表す、moonlight acidへの序章だったのです。
ゆえにブックレットも1ページで全てを表現しております。

 そしてmoonlight acid、、、どんな薬物を食らってしまったのでしょうか?
ゴシックで淫靡でダークな世界観を強調した作品となっております。
アートワークの女性の足の間に飛び散るのはスペルマ、そしてその匂いに集まる蝶々。
歌詞にある「五色の花弁は、、、」と「GothicのLavender、、、」は、飛び散る内臓を表しています。

 サビの歌メロに星がいくつ見えましたか?四つ目の身近なモノに気付いて下さいね?
この曲はShady Glimpseの曲の中でも、ダブル、トリプルミーニングが一番多い曲です。
じっくり歌詞を読んで下さい。「猫の酔うに、、、」猫が酔うアレは何でしょう?
Cメロにも沢山の意味が込められてます。沢山探し出して下さいね。

 この曲に限りベースの音色にとてもこだわりました。
Bacchus製フレットレスWOODLINE4に、細めのフラットワウンドを張りました。
いやらしいスライド感をアバウトピッチでゆらゆら鳴らしたかったからです。
手袋をはめてマルコシアスバンプの気分でスライドしまくります。
弦が細い上に、Dチューニングの我々、当然フレットの目印通りには音は決まりません。
小節の終わりの音は、だいたい「その辺りをビヴラートさせて狙っていく」感じです。

 中間部のスカなフレーズは無理矢理WOODBASS奏法。SHINYAオリジナルです。
椅子の上に立てたジャズベースを中指と人差し指で引っ張ります。
ネック辺りにコンデンスマイクでスラップの生音を拾い、ラインアウトとミックスさせます。

 ギターリフはやっぱり雰囲気を出す為にクロマチック進行が増えました。
ソロはメロディから作ったんですが、ややこしいスケールに進んでいく羽目になり、
クロマチックロクリアンフリジアンなんちゃらかんちゃら訳の分からない感じに進行してます。

 スラッシュメタルバンドが超えちゃいけないHOLY LINEを、越えてしまった一曲です。
M7 「DALUTI / ダルチ」
―――ゆっくりと 深呼吸した大地で―――

今自分でコピってみたのですが、多分レコーディング時には
こんなコード進行で進めたみたいですが、違ってたら申し訳ございません。

D-A-C-B7(イントロ)
Em-G-C-B7(Aメロ)
C-D-G-G(G7)(Bメロ)
A-C-G-G(G7)(サビ)
ギターのみになるパートは12フレットでのAm-Emのつもりで弾いたような気がします。

僕が若い頃通ってきたLAハードロックのアルバムには
だいたいこの辺りの場所に(A面の後半からB面の始めの方)穏やかでラブなバラードが入っていて
激しい曲からフワッと落ち着く一曲が、どれも素晴らしく感じたものです。
Home Sweet Homeや、You're All I Needや、Without You(コレはケツの方だったか)、、、。
あ、、、、全部モトリーだ、、、。
当然いい歌だったのでしょうが、「いいタイミングで来た」と言うのもあったんだと思います。

ラブなバラードではないけれど、この曲順辺りに柔らかな曲を入れたいなぁっていうのはずっと考えてました。
柔らかなメロディのイメージにペイントすると、ブックレットの柔らかな水彩に見える、水と緑と光のWHITE。
何も考えずに、身体を大の字にして芝生で昼寝してしまいたくなります。

メインのコードギターはHEADWAY製のアコースティックギター。コンデンスマイク一発録音。
リードのギターはGIBSONレスポールカスタム'57、、、、なんて持ってないのでSG。
タイトルは、自然をこよなく愛していた人生の恩師にあたる先輩のお店の名前です。
M8 「Brandnew Law Song / ブランニュー・ロウ・ソング」
―――快楽の国営化、ハーブ、ポルノ、カジノ―――

TAKEIの国を憂いた叫びによる、馬鹿なりに考えた行列ができない系の法律の曲です。
我々の叫ぶ音楽は、大概、怒りをパワーに変換して歌うものが多いので、
当然歌詞の内容が「不安と不満」を叫びやすくなるのは、自然の流れであります。

が、只の反骨精神で終わらないのがShady Glimpse。
しっかりと考えて提案する、、、その上で批判ができる素晴らしい唄歌いの人とバンド組めて僕は幸せです。

でも提案する内容はいたって「クズ」以外の何者でもないです。
しっかりと考えてそれしか出なかった、、、そんな馬鹿な唄歌いの人とバンド組んでて僕は悲しいです。

この曲はスラッシュパートとN.W.O.B.H.Mを行ったり来たりを繰り返すメタルナンバー。
コレで喜ぶアナタは、鋼鉄魂が溢れているのか、IRONMAIDENの大ファンか、N.W.O.B.H.M世代か、もしくは!

「鋼鉄魂が溢れすぎたMAIDEN好きのただのメタルオヤジ」だっ!

自分も確実にその聖域に近づきつつあるのだが。
そんな人たちが、ライブハウスや日本のメタルシーンやBURRNの発行部数を
長い事支えてきたのは周知の事実。

3連符を3度ハモリのツインリードの4まわし!!全部足して12だ!!!

が、只のメタルフレーズで終わらないのがShady Glimpse。
一回目の四拍子のロックンロールなハモリフレーズを通常のオルタネイトピッキングでプレイ。
二回目の3連符のハモリフレーズをあえてシャッフルピッキングでスライドワークさせてます。

なかなかコレ難しいのに気付いてはもらえないだろうこの寂しさ。涙
中間部のドラムがキックだけになる所から表打ちまでが「食わず」となってます。
この手の曲のかぶせギターは全部PODで作りました。だって、、、毎回音が変わらないんだモノ。
M9 「Get drunk like M.O.F / ゲット・ドランク・ライク・M.O.F」
―――オレに今すぐジャックダニエル持ってこい―――

ゲストDog-Magトモさんのギターソロから始まるこの曲は。
皆で掛け合うコーラスを入れたくて、Beastie Boysの
Fight for your Rightのような曲に仕上げたかったはずなのに。
Shady Glimpseが作るとS.O.Dみたいになってしまうのだが、それはそれで良しとの事で、、、、。

追求するまでもなく、ただのパーティソング、飲んで騒ごうぜ!というストレートな歌です。
が、全パートいちいちややこしいつくりになってます。

まずはメインリフ、1回し目のオブリは8拍目、2回し目は7,8拍目、
3回し目は6,7,8拍目、4回し目は5,6,7,8と拍目と続きます。

そして掛け合い、怒りをのせたEAST COAST HIPHOPにランダムにコーラスが入ります。
一定の場所で掛け合えない為、DA TAKEIのリリックもライムを感じにくい設定となっております。

中間部のギターソロではDog-Magトモさん。
思うがままに愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけないほどに弾きまくってるので。
ライブで再現しようと思うと僕が傷つくので、通常のライブで見られる事はまずありえません。
リスペクトする大勢のマイメンがコーラス参加してくれてますYO。

「M.O.F」とはMinistry of Finance、、、財務省の略です。
ジャブジャブ使ってる人達のようにガバガバ呑みましょう!ってお話でした。
M10 「People in desire / ピープル・イン・ディザイア」
―――失礼ご婦人達 これは猥褻賛歌―――

ベタベタなアメリカンハードコアスラッシュスタイルのこの曲は。
「暴れる」を重視して出来上がりました。
下衆な歌詞と、ハイテンポBPMの16分に、お決まりのモッシュパート。
分かりやすいコーラスワークも、ノリやすく歌いやすいはずです。

この手の曲はレコーディングもタイトではいけないので、より荒くプレイして。
ミスも大事に残しつつ、よりチープなサウンドプロダクションを狙いました、、、、が。
さすがはプロツールス、それなりの音に決まっていってしまいました。
この曲だけオープンリール録音って訳にもいかないのでね(予算制限あり)。

ビールとヘッドバンギングとサークルモッシュを楽しみながら。
狂気のスラッシュ感染しながら狂気のスラッシュパーティをしましょう。
M11 「Black & White / ブラック・アンド・ホワイト」
―――ジーザス!てめぇの世話にはならねぇぜっ!!―――

古き良きHR/HMの香りをぷんぷん匂わせたナンバー、Black & White。
色んな物事にはっきり白黒つけないとおさまらない面倒な自分を唄いました。
「曖昧が正解で大体な世界で息つく暇さえありゃしねぇ」、と唄ってますが。
本当は白か黒かでしか判断できない自分の性質に疲れてしまう事が多いのかもしれません。

時として、ゆっくり見えて来るものもあるんだろう、と思ったりもします。
結論を急いで失敗した事も多々あります。
色づいた世界に取り残されたモンシロチョウが、現在の自分の姿なのかな?と思います。

ブックレットを眺めて見てください。

虹の中の「モノクロな俺」がより鮮明に見えるように
Aメロの頭には全て色をつけてあります。
今様という色もどんな色なのか、探してみてくださいね。
「茜さす紫野探したとて藍にも恋にもなりゃしねぇ」。
このフレーズは万葉集の額田王(ぬかたのおおきみ)の唄を引用してます。
額田王は天智天皇の妻ですが、大海人皇子(おおあまのみこ)と不倫関係にあったようです。

「あかねさす紫野行き標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」

茜色の光がさす朝の紫野、、、この紫野というのは藍(色)の原料を取るための花畑のような場所です。
「あかね色に輝く、紫野、標野で、そんなに袖を振ったら(大海人皇子)、番人の野守りが見ますよ」と。
困るけれど、ちょっぴり嬉しい乙女心の愛の唄なのですが。

そんなもんは俺にとっちゃ「愛にも藍にも恋にもなりゃしませんよ」と。
やさぐれてみました。

「虹の架け橋でモノクロな俺を救いたまえ神よ」このサビメロ。
身近な人たちはご存知でしょうが、俺は徹底した無神論者です。
最終のサビで遠くでコーラスの後ろで聞こえるシャウトは。
「ジーザス!てめぇの世話にはならねぇぜっ!!」というシャウトでした。

そして、この白と黒の世界観、実は我々のバンド名も。
Shady(薄暗い)とGlimpse(かすかな光)、どちらもかすんだ陰陽の事なのです。
曖昧な白黒グレーゾーン、闇もあれば光もあるさ、人生何が正解なのかは
いつまでも分からないでしょうが。
まぁそれなりに楽しく日々生きております。

WILD ANTHEMしかり、EARTH SHAKERしかり、Xしかり、METALな世界に生きていると。
歌いたくなってしまうモノなのです、自分のバンドを。

この曲のツインリードのハモリはシマザキexVACUUM。
昔から悪ノリが大好きな腐れ縁が、クサさとダサさを求めてやりすぎてみました。
アルバムの中で一番オールドスタイルなナンバーです。
M12 「wish,,, / ウィッシュ」
―――ひぃふぅみぃよぉいつむぅななやぁここのつとどけ―――

長かったこのページの更新もついにアウトロのこの曲まできました。
ウエスタンカントリー風に仕上げたインストナンバーです。
幌馬車がゆっくりと進んでゆく景色を感じましたでしょうか?
みんなのクラップがのんびりトラベリンを表現しております。

この曲はアコギとバンジョーとクラップのみで作られております。
メリーゴーランドが回ってる数字と歌詞のからくりに気付きましたか?
クローバーでつまづくかもしれませんが、、、四つ葉の事ですね。

騒がしい音楽を最後まで聞いていただきありがとうございました。
ティータイムに入りますか?それともまたTr.1に戻って回りますか?
自由な聴き方をして下さい。

そして、ゆっくりで良いので、少しづつ、Shady Glimpseの音楽を。
好きになっていってくれたら嬉しいです。
あとがき 
―――2010.4/11 SHINYA―――

3rd ALUBUM、、Shady Glimpse単独音源としては5作品目になるのですが。
曲解説、、、こんなこと初めてやってみました。

どうやって弾いてるんだろ?と思う人もいれば、
何を歌ってるんだろ?と思う人もいたと思います。
曲が聴ければくだらん解説はどうでもいい人もいるでしょう。
色んな人が自由に色んな楽しみ方をしてくれればいいと思います。
気になった曲や、フレーズだけを読んでくれても良いですしね。

ひたすら頭振ってる人も正解です。
自分のイメージと違って「駄目だなこりゃ」って言う人も正解です。

どんな音楽でも、良いも悪いも、聞く所までいった人は、
そこに興味があるわけで、CD Shopの視聴機まで、体が動く人は、
それだけで素晴らしいですよ。

なぜ俺が今回これだけ大変なテキスト打ち込み作業に向かい合えたかって。
やはり進化していく時代の変化と、環境の変化の話になります。
ダウンロードが主流になっていく時代の境目を見る世代な気がしてます。

思い起こせば25年前くらいになるんですかね?
当時レコード盤に皆が針を落としていた頃に俺と同じように
なんだか寂しい気持ちで時代の変化を眺めてた先輩達も多いんでしょうね。

それでもCDに移行していっても、コンパクトながら優れた音質で、磨り減ることなく、
音質劣化しないメディアにて、ブックレットめくりながら一人の時間を楽しめましたよね。
CDを初めて買った頃はレコードからの移行なので、
CDの事何も知らないでなんだか音が悪くなる気がする勘違いから。
カセットテープに一旦落としてオートリバースさせてました。

聴きながら、レタリングをしながら曲名と曲順、バッチリ記憶したものです。
各家庭も黒電でイエ電、「こんばんわ、○○と申しますが○○君はいらっしゃいますか?」
なんて緊張して言うくらいなら、音楽聴きながらBURRN隅から隅まで読んでましたよ。

好きなアーティスト特集の雑誌を買って、機材を調べたり、その情報を元に
楽器屋さんに試奏しにいったり、インタビューを読んだり。
曲の解説や対談など、明日の学校を忘れて夜更かししながら夢中で読んでました。

俺は「造り手」なので、これから来る新しい時代を否定してたら
湧き出たサウンドも聞いてもらえない事になるかもしれないので、対応していこうとは思ってます。
好きなマニアが喜ぶアンダーグラウンドなモノとはいえ、
多くの人に聞いてもらいたいのはアーティストゆえにしょうがないです。
(まーそのために打算的に動く術は持ち合わせてませんし、売る魂も持ち合わせてませんけど。)

が、温故知新、新しいモノを知る努力もしたいですが、古き良きものを温める努力も
していきたいなぁとも思っています。

別の紙で封入されるライナーノーツに書かれた、バンドの歴史やファミリーツリー、
めちゃめちゃ楽しく読んだものです。
ブックレットに載ってるイラストワークやライブの写真、
メンバーの名前や、使ってる楽器メーカーのロゴ、、、、、
付属の帯の独自のしまい方や、再生ボタンを押したり、ページをめくる自分、どれも音楽を好きな自分を
自分で味わえる物凄く素敵な時間です。

自分が当時楽しんでたモノを全部今回のアルバムに詰め込んだ感じです。
今の人たちにも知ってもらいたい、レコードショップの袋を持って店を出るところから。
聴きすぎて、知らない英語をなんとなく歌えるようになって、聴き飽きるまでの流れ!

我々の音に無関心ではない方々がこのHPまでたどりつき、このコーナーにたどりつき、
一番下のこの文章までたどりついてくれたんだと思います。

俺の年より前後から上の方達は同じようにして音楽を聴いてきたと思いますし。
若い方達は「ん?黒電?レタリング?オートリバース?」なんじゃ?そりゃ?だと思いますが。

音がながれる環境で、部屋の明かりを消して。
手元のライトなんかつけながら、歌詞を読みながら、夜中にうっかりくちずさんじゃったりしながら。
たくさん楽しんでもらえたら、、、、、。

そんな願いを込めて、このページをつくりました。


とどけ、、、ゆっくりとこの声、、、ひとつ、、、ふたつ、、、みっつ、、、